-凛 side-
塁に連れて来られた場所。
それは、壱のお母さんが入院している病院。
壱のお母さんは私達を見るとすぐ、悲しい複雑な目をしていた。
だけど、すぐに優しい笑顔を向けてくれた。
「……ごめんなさいね。私が、私がこんな体にならなければ、こんな事には……凛ちゃん、本当にごめんなさいね」
壱のお母さんに謝られた。
「やめて下さいおばさん!おばさんは何も悪くない。誰も悪くない。これが私達の運命だったんです。だから泣かないでおばさん?私は私で、ちゃんと新しい道進んでますし、壱はいまでも大事な友人ですから」
「凛ちゃん……ありがとう」
「おばさんは、早く元気になって下さい。壱の結婚式にきちんと出席できるように!」
私は笑顔いっぱいでそう言った。
「だけど、あなたに謝りたい事はもうひとつあるのよ」
「え?」
「あなたがここへ診察へ来て、私を見かけた時、私はすぐ凛ちゃんって気づいたわ。それなのに他人のふりなんかして、ごめんなさい」
「それも、仕方なかった事です。私なんて、壱のお母さんに似てるな~って思ったんですよ?本人なのに、失礼ですよね?」
「それも仕方ないわね。だって、あなた達を最後に見たのは小学生の頃ですもの。私、随分変わったでしょ?」
「すごく痩せましたね…早く元気になって下さいねおばさん」
「ええ。ありがとう」
それから、壱の事やこれまでの事を思い出話かのように私達は話続けた。
次第に日は暮れ、私達は病院を後にした。



