約束-promise memory-






「明日から夏休みかぁ」



放課後、夏休みの課題である、論文の資料探しの為、茜と私は図書室にいた。



「夏休み、どこか行きたいね!皆で」


「そうだね」



すると茜が、本を探す手を止め私を見た。



「どうしたの茜?じっと見て」


「その様子じゃ、本当に諦めたみたいだね。柏木君の事」


「あ~…うん。壱は壱で、新しい道を見つけたんだし、私も私でまた新しい道を見つけたいの。いつまでも壱を想っていても、壱は結婚するんだし、若菜さんにも迷惑かけちゃうしね」


「あんた、優しすぎ」


「そうかな?だって、私は壱や皆が幸せになってくれないと、私も幸せになんてなれないからね」


「あんたの幸せか……塁、とか?」



茜が私の顔を伺うよう見て、聞いた。



「………ちょっと…茜~」


「今の間はなに~?」


「もう、茶化さないでよ」


「茶化してなんかないよ。凛だって、塁の気持ち知ってるんでしょ?」


「……」


「私はずっと、あんたの悲しみがなくなって、早く幸せな道にいってほしいって、ずっと思ってたよ。もちろん今も。だからって、強制はしないけど、塁と一緒に居たら、きっと幸せになれると思うなぁ私は。まっ、最終的な判断は凛次第だけどね」




その後の私は何も答える事が出来ず、ただ黙っていた。


私にだって分かってる。


塁の気持ち。




自分の幸せか。