-凛 side-
もう大丈夫とすぐ思えたのは、塁が抱きしめてくれて、優しい言葉をくれたから?
私は塁を抱きしめ返した。
塁の温もりはいつも変わらない温もりで、優しい。
私にはもったいないくらい、優しい。
「ごめん塁」
私は塁から離れた。
「落ち着いた?」
「うん」
「私、最低だよね?塁をこんな時に」
「お前が俺を頼ってくれるなら、俺はいつでも受け入れる」
「ダメ!塁には、幸せになってほしいの」
「俺の幸せは、お前だよ凛」
「塁…こんな優しい言葉言わないで…私」
私、今弱ってる。
だから、こんな優しい塁に甘えてしまう。
ねぇ塁。
塁を好きになれたら、悲しまないでよくなる?
「逆に、俺の方が最低だって思う」
「塁」
「お前が弱ってるときにこんな言葉かけて最低だって……だけど」
塁は私をまっすぐ見て言った。
「俺は、お前の悲しむ顔はもう見たくない。だから、ズルイとか卑怯だと言われても構わない。俺はお前の幸せの為なら、何でも出来る。それくらい、お前に惚れてる」
「塁……」
いつも塁の優しさに甘えてしまう。
塁の言葉は私の中に新たに焼き付けられた。
それから塁は、優しく抱きしめてくれた。
私はそれを、拒まなかった。



