-凛 side-



そして壱は、私の身体を解放した。



「なんかごめん。少しだけって言ったのに」


「ううん、いいの」


「なぁ凛……」


「なに?」


「…あのさ」



何かを言いたそうな壱。


言わなくても、だいたい壱が言いたい事はわかる。




「壱は、友達だよ」


「…え?」


「壱は大事な友達」


「凛…」


「もう恋人同士にはなれないけど、小さい頃からずっと一緒だった壱だから、これからはずっと友達!」




壱が、笑った。




「さんきゅー」


「この5年の間をさ、また皆で埋めていこうよ!茜や涼や新だって、皆優しいから、壱とも友達になってくれると思うよ?」


「ああ」




神様、どうかもう、私達の運命を、狂わさないでほしい。