-塁 side- "ガラー" 「あ、塁」 「お前ら。まだ居たのか」 俺が教室へ戻ると、茜、涼、新の3人が待っていた。 「凛は、今屋上なの?」 「ああ」 「大丈夫なのかよ」 「たぶんな」 「凛々」 教室が、夕日の光で赤く染まる。 そんな教室で、俺らは凛の帰りを待つ。 「ねぇ塁?」 「何?」 茜が俺に聞いた。 「塁は今、何を考えてる?」 「別に……何も」 "ガタン" 茜が、椅子から立ち上がり、窓の外を眺めながら話し始めた。