「凛、今まで話せなかった事、全部話すよ」 「う、うん」 「あの日の話しからだよな。5年前の、3月9日、小学校の卒業式前の日」 私と壱を引き離した、あの日。 「あの日、俺は凛と別れて家に帰ったんだ―――――――――。」 壱は、あの日の出来事を、思い出しながら、丁寧に話し始めた。 壱の全ての過去を。 私が知らない、空白の5年間を。