自分達の出番がない時は、壱と塁が出ている試合を見に行ったりした。



「なんかあの2人、すごい楽しそうに見えるね」



茜が、壱と塁を見て言った。



「きっと楽しいんだと思うよ」


「そうだね!」



今の2人を見ると、昔、毎回応援に駆け付けた時の事を思い出す。


あの時は必死で叫んで、得点や三振を取るたびに飛び跳ねて喜んだっけ。


そう思った時。




「スゥー……がんばれー!!」




そう叫んでた。


「ハァ、すっきりすっきり」


「凛、あんた意外と大声出るんだね」


「まぁね」



私達はお互い、顔を見合わせて笑った。





――――見事、男子は優勝を果たした。


私達は、準優勝で終わった。




こうして、球技大会は幕を閉じた。