-凛 side-
「ねぇ凛、大丈夫?ちゃんとご飯は食べた?」
「うん!食べたよ!私は、大丈夫だよ」
「そっか。ボーっとして、ボールにでも当たったら大変だからね」
朝、茜が迎えに来てくれて、私は茜と登校した。
大丈夫って茜には言ったけど、私の胸の中は謎だらけだし、複雑な想いが交差しっぱなし。
「ねぇ、あれ…って」
茜が足を止め、そう言った。
私は茜を一度見て、茜が見てる方向に視線を移した。
「柏木君と、塁よね?」
「うん」
そこには、壱と塁が、裏庭に行く途中の姿があった。
2人の間には僅かな距離があって、壱の後ろを塁が歩いていた。
この様子からだと、声をかけたのは…壱。
「行かなくていいの?」
動けないでいる私に、茜が言った。
「今の私じゃ、行けない。あの2人の間には入れない」
「凛」
まだ私の中では何も解決してないし、まとまってない。
そんな中途半端な気持ちでは、2人の間には入れない。
だけど、あの2人なら大丈夫かもって思えたのは、確かだった。
「行こ。茜」
「う、うん」
私たちは、壱と塁とは逆方向の体育館へ向かった。



