<<球技大会当日>>
-塁 side-
「おい塁、お前今日大丈夫なのかよ?」
「ああ。なんとかな」
「柏木とは、あれっきりか?」
「ああ」
球技大会の開会式前の朝、俺と涼と新は、まだ誰もいない教室にいた。
茜と凛は一緒に来ると、涼の携帯にメールがあったらしい。
壱もまだ来てないみたいだ。
壱とは、昨日のあれ以来、一言も話してない。
それで今日、当日の朝を迎えた。
"ガラー"
こんな時に限って、
「柏木」
壱が登校してきた。
まだ何話していいかわからないし、俺、昨日殴ったし。
怒ってないわけがないし。
教室は、一気に重い空気。
だけど珍しく、重い空気の中、最初に声を上げたのは壱だった。
「塁、ちょっと話したいことがあるんだけど、いい?」
「ああ」
俺は少し戸惑って、返事に間が空いてしまった。
壱からの呼び出し、胸が騒いだ。
「お前ら、先に開会式行ってて」
「わかった」
涼と新にそう言って、俺たちは教室を出た。



