-凛 side-




「柏木君に?」


「うん」



私は茜に、さっき壱と話していた事を説明した。



「そっか。でも凛…」


茜が、私の目を真っ直ぐ見つめ聞いてきた。


「凛の気持ち、分からなくはないけど、私は凛が傷つくのは嫌だよ?」


「茜」


「本当に、柏木君をトモダチとしてこれから見れるの?辛い思いとかしたりしない?」


私は、首を横に振った。

迷いはなかった。

壱とトモダチからやり直したいと思う事に。



「だって、壱に逢えた。逢いたい人に逢えたの!何もしないで、ずっとギクシャクしてる方が辛いよ」


「よし!わかった!凛には負けるよ。あんたって本当に強いよね」


「私は強くなんかない…強くなんかないよ。ただ、壱の幸せをそばで見守りたいだけ。壱は私の初恋の人だから、幸せになって欲しいの」


「凛……」




茜は、私の目をずっと見つめていた。



「茜?」


「あ…ごめん、何でもないの」



茜は、ははって笑って、前を向いた。


茜、何かあったのかな?