俺と壱はいつものように、2人で練習する事になった。 ちょっと遠くで、涼と新が心配そうに俺達を見ているのがすぐ分かった。 「良かったな、信頼出来る友達が出来て」 壱が、不意にそんな事を言ってきた。 「なんだよ急に」 「いや、別に」 壱は、真っ白な野球ボールを見つめて言った。 「やろう。練習」 「……」 俺は無言で、定位置に着いた。 俺達のその場の空気は、前みたいな空気ではなく、冷たい空気だけが流れる。 壱とのキャッチボールが、こんなにも楽しくないと思ったのは、はじめてだ。