-塁 side-
壱の親父さんが自殺。
しかも多額の借金で。
「で、親父は誰にこの話聞いたんだよ?」
「営業先で、壱君を見掛けてな。あれは確かに壱君だったよ」
「親父の営業先って、どっかの会社?何で壱がそんな所に」
「父さんが壱君をずっと見ていたら、そこの会社の社員に「彼を知ってるんですか?」って言われてな…一応知っていると答えたら壱君について話してくれたんだよ」
「そこの会社っていったいなんなんだよ?社員が壱の過去を知ってるって」
「そこの会社の社長令嬢と婚約したらしい。それで壱君は会社中の誰もが知っているそうだ」
―――――あの女か。
「で?婚約の理由ってのは?」
「それはだな―――」



