学校にはいつもより10分も早くついてしまった。

昨日は、いろいろと考えすぎて眠れなかった…。
けど、どうしてかあまり眠くなかった。


「奈緒ちゃんはどうなるんだろう…気になってしたかない…。」

今日、きいてみようかな。

その時、奈緒ちゃんが来た。
「おはよ―ゆうとくん。」

「あ、うん。あのさ、昨日の…」
「余命ね、あと四ヶ月なの。もっと、話したかった…もっと一緒にいたいよ…。やっと会えたのに…死にたくないよ。ねぇ、ゆう…」

「俺が、残りの時間、精一杯“奈緒”を楽しませてやるよ!!だから…俺とデートしよう!」

「―あ…初めて奈緒って言ってくれたね。嬉しいよ…けど…デート?!付き合ってもいないのに…」

「だったら、付き合うよ。思い出つくるんだよ!だから、今日から俺の彼女な!」

「わかった…。」


その次の日、二人の両親に挨拶しに行った。

僕の親は納得してくれた…。
けど、奈緒の両親は…どうだろう…



ガチャ…。
「お邪魔します。」


すると、部屋からは怖そうな大人がでてきた。奈緒のお父さんだ…

「君かね…」

「あっ!はい!佐々木ゆうとです」
こわそうな人だなぁ…。

「君は奈緒の病状がわかっているのか?とても苦しい事なのに、馬鹿じゃないのか?」


「お父さん!やめて!ゆうとくんは、私の残りの命を預かってくれたのよ!楽しませてあげるって。」

「だが、娘は渡せ…」

「今は、そんなこと言っている暇はないんです!時間が、時間がないんです!!!僕は、奈緒のために、ちゃんと考えてした行動なんです!!」


「…そこまで、娘の事を考えてくれているのだったら、最後まで一秒も無駄にしないで幸せにさせてやってくれ。」

「っあ!はい!!絶対に幸せにします!ありがとうございます!」




「お邪魔しました!」

「やったわね!ってかこれからどうするの?…ゴホゴホっゴホッゴホ…ちょっと、私、病院に…」

ばたっ…

「奈緒っ!?おい!!大丈夫かよ!!奈緒―!!!」