「きょ、今日…転校してきた東海林、椿、咲です」 途切れ途切れになりながらもなんとか言えた。 王子様は眉をしかめながら全身を舐めるように見てくる。 丁度顔のところで視線が止まった。 「俺の名前知ってるでしょ?」 当たり前のように自信満々で言ってきた王子様。 残念ながら名前は知らない。 何せ男子に興味ないあたしは梓美に名前まで聞かなかったから。