僕が仕事で先輩と車で移動しているとき、その話しを先輩にしました。

「キンアカってすごいですね」

僕は興奮して自分の感動を伝えていました。

「だって先輩見てくださいよ。あの信号だって、黄色から赤に変わっただけで、車を止めるチカラがありますよね。絵画みたいな芸術より何よりもこの赤という色彩はチカラがあるわけですよね」といいました。

先輩は「変な奴だな」と笑っていましたが、僕はいたずら心に「人がそんな色彩に支配されていいのですか！」と目の前の赤信号を突っ切ろうとアクセルを踏みました。

先輩はびっくり慌てふためいて「何してんだよ！」と僕を叱り付けました。

「お前みたいな奴がいるから、交通事故もなくならないんだよ！疑問ならもっと別のことに抱け！」

僕に先輩の言葉が突き刺さりました。

突き刺さった言葉は「交通事故もなくならない」というところです。

僕は社会の安定はこんなことを維持して守られているんだなと、社会人1年目に偉大な教えを受けたのです。

「こんな世間知らずでチャーミングなマイノリティ・レポートは、僕だけのことだろうか？」