知恵ちゃんにはそれがイヤだった。

自分よりも頭の悪い美咲が…
学級委員になるなんて。
許せない!!
許せない!!

知恵ちゃんはそう思って、奈美と一緒に美咲を無視し始めた。


美咲は学級委員なので。
授業の最初と最後に挨拶の号令をかけないといけない。
美咲が
「起立」
と声をかけても…

絶対に知恵ちゃんや奈美は立たなかった。

先生に注意をされると
「学級委員の号令が小さいから聞こえませんでした」
と平然と言う。


「みんなが立っているんだから…聞こえたはずだ」
美咲の声は小さくない。
むしろ、声が大きくて。
少々、うるさいくらいだ。

だから。
普通なら…美咲じゃなくて。
知恵ちゃんや奈美を怒るべきなのに。