放課後。
部活中止なので全校生徒はゾロゾロと下校していた。

私と美咲が一緒に帰っていると
「すみません。職員室はどこですか?」
と、50代ぐらいのおじさんに声をかけられた。

マスコミ?かなと思ったけど…違うみたいで。
私たちは職員室を教えた。


まさか、この人が坂本先生のお父さんだったなんて知らなかった。


坂本先生のお父さんは強い憤りと悲しみを持って、職員室に行った。

急に職員室に入ってきた見知らぬ男性に教頭先生は
「あなた…何か用ですか?」
と聞いた。

「用ならありますよ。私は坂本と申します…昨日、娘のアパートの部屋から遺書が出てきました」
顔を見合わせる先生達。

遺書があったなんて…
知らなかった。

「あんたが教頭先生か?」
坂本先生の父親が教頭につかみかかった。

「あんたが娘を追い詰めた…」
と言った時。
職員室の電話がなった。

「はい。もしもし…」
渡辺先生が電話に出る。電話の相手はマスコミからだった。

坂本先生は…マスコミにも自分の遺書を送っていた。

学校だけだと、学校側が隠蔽すると思ったから。