「コーヒーのお代わりはいかがでしょうか?」

うなだれる私の上からウェイターの声。
そうだね…滅入ってるから頼もうかな…。

「お願いしまっ…栗田さん?!」

そこには、先刻の衣装プラス黒エプロンを着用した栗田さんのスマイルが!

「いいえ、お客様。私はカリスマウェイター・セバスチャンでございます」

セバスチャン?!

「マリアンヌ!アメリカン!ワンオーダー!プリーズ!」

ワンオーダープリーズって…名前!明らかに英語圏じゃないだろ?!
つーかマリアンヌって誰?!
店員みんな純日本人じゃないかっ!

「ハマったんだ、大輝」
貢さんがボツンと呟いた。

ハマった?

「大輝の奴め…コスプレと仕事を混同してはならんと…あれほど言ったのに!」

オイ!あんたがやれと衣装渡したんだろっ!
早く任務解除してやれよ!

「ま、そのうち正気に戻るだろう。放っておくに限る」
家紋さん!冷静なっ!


いいや…普通を追求すると私こそが正気を失いそうだもんね。


「でも、奥山さんと三井さん。再会できたんですからメデタシですね?」
「…いやぁ」

奥山さんは照れたのか、ハゲ頭を撫でている。

ぶっ…何かほほえましいかも。