丸腰デパート・イケメン保安課

「パパは休み。ママは〜…三年前にパパの1000万入ってる預金通帳と印鑑を持って、日本在住のスペイン人フラメンコダンサーの男性と羽田空港から海外へ逃げた。書き置きは“蚊取線香は目に染みるよね”だったよ」



「………………ハイ?」


何て言ったのかな?

ママは…通帳持ち海外ヘ?ダンサーと?


「エヘッ!おねぇちゃん聞き間違いしちゃったみた〜い!」
こんな小さな子供が言う話じゃないもんね!

「桜田さん、聞き取れなかったんですか?」
「家紋さんはわかったんですか?」
「もちろんです」

家紋さんは深呼吸をした。

「ウクレレの修行に行ったんですよ」
「ウクレレ?!」

全然わかってないじゃん!
ウクレレは全く出てないですからっ!高〇ブーかよ!

「うん!短く説明するとそういう事だよ!」
少年ッ!合わせなくていいからっ!!


この人達に感化されないうちに早く親を捜してあげなくちゃ!

「僕!とりあえずパパを探そうか!ね?」

この場から離そう!
特に主任から!


「探すより電話すればいいじゃないか」
「へ?主任知ってるんですか?」
「救命丸の首から下がっているだろう」


救命丸って…勝手に命名するなよ。