丸腰デパート・イケメン保安課

「ホント、綾美は空気が読めない奴だな」

だから、主任に言われたくないから!ソレだけは!
「世話のかかる奴だ…」

ソレも言われたくないなっ!

主任は再び深呼吸を始める。

だから、そんな緊張する事って何なの。


「綾美」
……何よ。
「俺は会長と縁を切り、東グループとの関わりは無い」
「…うん」
でも、主任は主任だよ。
変わらないよ。

「そして、刑事に戻る」
「うん」
それでいいと思うよ?

「俺は東グループという親の七光りからは外れ、世間で言えば国家公務員、普通のサラリーになるだろう」

何を言いたいんだろう?


「別にいいじゃない。普通でいいよ。中身は普通じゃないけど…東グループだからって何かあるの?親に左右されずに自分の人生を生きれるんだよ?主任は主任だし、私は主任が主任らしいなら関係ないよ」

「そうか……」
安心した様にうつむいて深呼吸を繰り返す主任。

…心臓弱い訳じゃないよね?

「一体どうしたの?」
何を緊張してるの?
いつでも全開でいるくせに。

「主任?」

主任は肩を上下させながら、深く息を吐ききった。
それから顔を上げ、まっすぐに私を見つめてくる。


なぜかドキリとした…。