楽しいから、いいよね?

「主任」
「何だ?腹下りか」
何でっ?

「腹下りじゃなくてさぁ…」

見事に雰囲気ぶち壊し。
さすが主任。
今年も全開。

「今年も楽しいといいね。保安課」

主任は私を見つめて、数回瞬きをした。
それから、静かに…。
「そうだな」

笑った主任。

でもいつもと違う感じ、変な感じ…何か…ホントの笑いじゃないみたいな気がした。

違和感……?

一度消えた不安が沸き上がってくる。

気のせいかな?


私のそんな考えは、マンションの部屋へと戻った時、主任の声という現実となって現れたんだ。







マンションへと帰った私と主任。
みんなは、人んちにも関わらず好きな事をしてた。

ほんの数十分留守にしただけなのに、何で床に物が散らばってるんだよ。

ここは託児所か?


「コーヒー入れますね」
冷えた手を擦り合わせながら、私はキッチンへ入る。


「新年早々だが話がある!」

話?
いきなり?

リビングの真ん中へ立った主任。

その呼び掛けにみんなそれぞれ、何かやっている手を止めた。

「新年の挨拶か?」
「それは違う、新年明けたら最後だからな」

明けた途端に終焉かよ!