「…………」

無言した。


私、確かに心配してるんだよね。
主任の態度はおかしいし、何か…話とか言ってた。

よくわかんないけど、あんな主任を見るのは嫌。
あんな険しい主任は嫌なんだ。

ピリピリしていて、重くて深刻そうで…ううん、それよりも…悲しそうな淋しそうな顔してた。


見たくないんだ…。


「桜田さん、笙が気になってきているのではないですか?まぁ…あんなに求愛されれば気にはなりますが」
「気にって前に…私の湯呑みにまで砂糖入れるのはちょっと…」

家紋さん!私の緑茶にまで砂糖入れてるんだけど!何気に!

「おいしいですよ?」
ホントかよ?

試しに一口……呑んで吹き出したけど?!

「塩じゃないですかっ?!」
甘くないんだけど?!からいくらいしょっぱいよ!

「バレましたか」
「飲めばバレるから!」
「では、改めて砂糖を。甘く感じますよ」
「こんなからい物飲んだ後だよ?!味噌汁でさえ甘くなるよ!!」

何を考えてんだよっ!
真面目に話してんのにっ!

家紋さんは、メガネを押し上げながら笑う。

「元気が出てきたではありませんか、桜田さん」
「…………え?」


もしかして…家紋さん、わざと?