「綾美〜…おはよ〜」

あ、主任が起きてきた。

寝癖のついたボサボサ髪に、Tシャツにスウェット。
眠そうにあくびをしながら…。


普通にしていてくれればかわいいのにさぁ…。


あれ?

主任を見て、思わず餅の袋を開けていた手を止めた。瞳を細めて主任を凝視……。


「主任?!」
「何だぁ?」
「鼻!!戻ってるよ?!」

主任の鼻が元に戻ってる!

「ええっ」
主任は慌てて両手で鼻をまさぐってる。

それから、落ち込む様にうなだれてる?
「なぁんだ…ちっ!」
「…何を残念そうに舌打ちしてんの?」

その理由がわからないし。

でも良かったぁ。
あの鼻は見慣れないよ。
鼻で遊ぶから余計に嫌なんだ。
テレビのチャンネルも鼻で変えるし…。

リモコンに鼻水ついてるしさぁ。
触っちゃったんだからね?私。


ちぇっ!と悔しがりながらダイニングテーブルにつく主任。

まったくもう!
子供なんだから!

でも…新年早々ツッコミしたくないしね。


「主任は餅何個食べます?」
「餅?伸ばして干すタイプか?」
伸ばして干す?!どんなタイプだと?!

また新年早々!!

訳のわからない事を言う!


…落ち着け、私!