丸腰デパート・イケメン保安課

眼鏡ビューティは、瞳を細めてやんわりと微笑した。

マジでかっこよすぎ!!


「保安課はですね、試験的に新設した部署なので、デパート業務ではあまり耳慣れしていないでしょう」
「はい、初めて聞きました」
「つまり、デパートの縁の下の業務、とでも言いますか。仕事は表のデパート業務とは全く異なります」


だろうね?
聞いた事ないもん、保安なんてさ。


「お客様が安心してお買い物を楽しめる様、社員やスタッフが接客に専念できる様、我々保安課はあります」

つまりガードマン的な?
それって警備会社の管轄じゃ?

社員がやるの?

「やり甲斐はあると思います。桜田さんの特技も生かせますよ」

空手を?


「ぶっちゃけ言えば、うちの主任が桜田さんの履歴書を見て、一目で気に入ったって話ですけどね」

そうなんだ…喜んでいいのかな?


「うちの部署は全員若く、平均26歳です。人数も五人と一匹なので、すぐに馴染めますよ」


五人と…一匹?


「期待してますよ」

そう言って笑う家紋さんにほだされ、元気に返事をしてしまった。


大丈夫かなぁ…私。