掃除なら、入ってもいいかなぁと思ったんだけど。

敏腕課長も出入りしてるんだしさ。

「掃除…ですか?」
う〜ん、と家紋さんが考え出してしまった。

言っちゃまずかったのかな?

「何?桜田ちゃんはあの空間も掃除したいの?」
空間?
「かまいませんが大変ですよ?4部屋ありますから」
4つも部屋あんのかよ!
奥行きあるなぁっ!


「なぁんだっ!綾美はあの扉の向こう側には行った事無かったのか?」
「無いですよ」

主任が言うと、扉が更に怪しく思えるなぁ。

何かこう…またとんでもない展開になりそうな。

私の不安を他所に、意気揚々とドアノブに手をかけてる主任。
「さぁ綾美!招待するぞ!スピードの向こう側へ!」

スピードの?!


「………やっぱりいい」
不安だから。

「なぜっ!俺が仲人をするぞ!」
「誰の仲人だよ!ソレ言うなら案内人だろ!大体何で案内人が必要なんですか!」
「細かい事を言うな!みじん切りか?お前はフードプロセッサーか?」
「訳わかんないっ!」

何が不安かと聞かれたら、迷わずあんたと言えるから!


「まぁまぁ、せっかくだから入りなよ」
「え?ちょっ…」

栗田さんに背中を押されてるし!