でも、主任だからなぁ。
大丈夫なんだろうけど。

「……ありがとうございます」
とりあえず、毛布を受け取った。

「主任、起きたんですね」
「うん…」
毛布に包まる私の隣に立ち、主任は眠そうにうなづく。

「連れ去られる所だった。俺は青い血ではないと言っているのに、ムーの奴らは聞かない」
……は?

「俺は紋章を捨てた男だ」

……夢だよね?

寝ぼけてても変…。

「眠いなら寝た方が…」
「ダメだ、枕返しが来る」
「来ないって」

何なんだろう、主任って。

「綾美に…これを渡さんとな…」
「はい?」

突然、主任が小さな箱を差し出してきた。

何?

「綾美、誕生日だろ」
あくびを噛み殺しつつ、主任が言う。

「誕生日…私に?」
「何だ?幸子の誕生日とでも言うのか」

何で幸子が出てくんだよ!

でも…嘘でしょ?

主任が誕生日にプレゼントくれるなんて…誕生日覚えてたんだ?

いや…主任の風邪見舞いに来た時、誕生日の質問されたんだったね。


嬉しい。

こんなの予想してなかったもん!


「開けてもいいですか?」
主任は目を擦りながらうなづく。

主任ってば。

眠いのに…プレゼントくれる為に起きたのかな。