丸腰デパート・イケメン保安課

「そんな一言で片付けるな!重要な事だそ?キープアウトだ!」

何がキープアウトだ!
そんなもん作られてたまるか!

「形跡いらない!行くよ!」
「行くのか?サヨナラと書いた白い便箋は置かないのか?」

誰に宛てる手紙だ?!
気分ぶち壊し!
やるなら一人でやれ!

馬鹿っ!







マンションに着く間、主任はシートの真ん中で歌を、しかもモノマネを交えた歌を歌い…それを後押しする栗田さんの合いの手を聞きながらため息をつき…ようやくマンション到着。

マンション前には家紋さんと昴さんが待っていてくれた。

男手が四人もいると、一人暮らしの荷物なんて軽く部屋に運び込まれちゃって。

12時にはすでに、部屋で片付けに入れるまでになっていた。

この調子なら、今夜から普通に生活できそう!

主任と家紋さんが住むマンション、私に与えられたのは約8畳はある部屋。
大きなクローゼットもあるし、住み心地は良さそう!

後は…同居人が変わってるって問題だけだ。

感化されない様にしなくちゃ!


「綾ちゃん、このウサギさんかわいいねぇ」

部屋で整理を手伝ってくれていた千太郎くんが、水色のウサギを抱き上げた。