丸腰デパート・イケメン保安課

「エヘッ!ゴメンね!」
愛嬌良く笑ってごまかす貢さん…って!

「そんなんやってる場合かぁ――!!」

思わず叫んだ私!
周りを見ろ!他の選手はすでに走り出してるから!
ビリだよっ?!すでに!

「よっしゃあ!いっちょ走るかっ」

気合いを入れて走り出した栗田さん―…速い!!
ビリだったのが、五人抜き…更に二人抜き!

「昴さん!パース!」

バトンタッチする頃には三位だよぉっ?!

「任せろ!」
栗田さんへと手を伸ばす昴さん。

その手が…栗田さんへと…ホントに伸びてる?!

走り出した昴さん…。

見間違いじゃない…伸びてた…腕が伸びてたぁっ!

「今!昴さんの手!1メートルくらい伸びましたよねっ?!」

隣に立つ、ウルトラマン姿の家紋さんに叫んだ。
「そうでした?」
そうでしたよっ?!

「残像とかそういうのじゃないの?」
ピカチュウまでもが否定するか!
あの超常現象を!

「っ!疲れたぁ」
栗田さんが戻って来た!

「栗田さん!昴さんの手!伸びてましたよね?!」
「え?」
栗田さんは渇いた笑いを見せた。

「……ハハ、何言ってんの?桜田ちゃん」
今!今の間が意味する真実は何?!

「昴!!命を燃やせ!」