丸腰デパート・イケメン保安課

騎馬戦では他社の騎馬を跳ね飛ばし、玉入れでは籠の底をぶち抜き、大玉転がしでは自分も転がり、障害物競争では自らが障害物となり…主任なんか、パン食い競争で他社走者のパンまで全て食べてしまう始末…。

それでもみんな一位。総合でも断トツ一位…。

信じられないよね。

そんなみんなを、黄色い声援で応援するたくさんの女性達もいる。
普通じゃないって感じないのかな?彼女達は…。

普通じゃない所ですら魅力に映るんだろうか。
いや、外見に惑わされてるだけ?


「っくそう!わずか10点差をここまで引っ張られるとは!」
隣のテントでは、猿股さんが悔しそうに地面を拳で叩いてる。

10点差と言うけど、普通じゃない主任達を相手にここまでできるだけでもすごいと思うけど?

「このままでは…綾美さんを幸せにできない!」
「それで結構ですっ!」

幸せにしてなんて頼んでません!

「これが運動会の素人とプロの差ってやつだ!思い知れ!猿股!」
運動会のプロって?

でも、私は改めて思い知ったけどね…やっぱり主任達はおかしいよ?!

「勝ったつもりか!東!まだ競技は残っているぞ!」
立ち上がった猿股さん、主任を指差し叫ぶ。