丸腰デパート・イケメン保安課

「クソッ!次の競技は何だ!100点くらい差をつけてやる!」
頭を掻きむしりながら、主任はプログラムと睨み合う。

…すっごいムキになってる。

「次は借り物競争だね」
借り物競争?定番。
「俺が走る!全て借りきってやる!」
何を?!
「笙はダメだ。さっき綱引きに出ただろう」
そう、同じ選手は二回続けて競技に出られないルールだから。

って言うか私、何にも出てないんだけど?
ずっと敏腕課長を膝に乗せて座ってるだけなんだよ。

だってさぁ、みんな張り切っちゃって…競技全てで一位になってくるんだもんねぇ。

「仕方ない…借り物競争は作戦参謀直々に出てもらおう」
「了解」
作戦参謀とは家紋さん。
保安課の知恵袋だからね。

「昴、サポートだ」
「任せろ」

「頼むぞ!」
固い握手を交わす三人…まるで戦友の様な雰囲気だ!




借り物競争が始まった。

五人づつで8回走り、家紋さんは2回目で昴さんは5回目。

「変な借り物カードが当たらなければいいけど…」
テントから競争を見守る。
「大丈夫だよ、桜田ちゃん」
「司さんは陸上で国体行った短距離選手だよ」
「えっ?!」
すごい!!
「昴さんは読める人だし」

…何を読むの?