丸腰デパート・イケメン保安課

「何だ、猿股か」

主任が青汁をジョッキで飲みつつ、興味なさ気に呟いた。

ってか、猿股?!

「名字で呼ぶなと言ってるだろ!東!!」
猿股と呼ばれた福山雅治似は、顔を引きつらせて怒り出した。

名字が猿股?

「自分の名前に誇りを持て!猿股!」
「そうですよ、自分のルーツではありませんか。猿股くん?」
「猿股さん!猿股さんもコーヒーどう?」
「立ってないで座れば?猿股さん」
「そうだ、座れ猿股」

みんな!猿股連呼しすぎだろ?!

「猿股言うな!!俺の名前は省吾!省吾と呼べ!」
猿股…あなたも怒り所間違ってない?

「なぜ名前で呼ばなければならないんだ?別に親しくもないのに」

そうなの?主任?

「俺だって別に親しげに言ってる訳じゃない!お前とは、ただ大学で専攻が同じだったってだけだ!何度か飲みに行ったり飯食いに行っただけだしな!」

…それって友達って言うんじゃないの?

「主任の友達ですか?」
向かいでコーヒーをすする貢さんと昴さんに聞いてみた。

「友達…微妙な所だ」
「うん、かなり微妙」
眉をひそめる貢さんと昴さん…微妙って何?

「猿股は、東に対してライバル意識を持っているからな」

ライバル意識?