丸腰デパート・イケメン保安課

「……それ名案!!」


栗田さんの号令に、みんな一斉に散って逃げた!

「…何か忘れてる様な」
私の隣を走る昴さんが呟いた。

「何を?!主任なら生還しますよ!」
何があっても100%!
「東じゃない、小さい誰かを…」
小さい誰か?

「ああっ!!」

私と昴さんは、叫んで同時に止まった!

「敏腕課長ぉ――?!」

課長を置き去りにしちゃったあっ!!


慌てて戻った私と昴さん!
なぜかみんなも戻ってる!

そして目の前には、山神様と睨み合う敏腕課長がっ!!

「みんな逃げなかったの?!」
「敏腕課長を思い出したから」
「千太郎はバロンと一緒に逃がしたよ」
「そっか」

しかし…この事態をどうするか!
山神様に追い詰められてる敏腕課長を助けなくちゃいけない!

「綾美〜俺はもう動いていいのか?」
「はぁっ?!」
見ると、主任までもが逃げてないしっ!
「綾美が動くなって言うからさぁ〜」
お預けの犬かっ!!

「動いていい?綾美」
「面倒だから動くな!」
主任に動かれると事態が収集つかなくなりそう!
そんな事より!!

「敏腕課長を助けなきゃ!」

でもどうする?どうやって?!

じりじりと敏腕課長に近付く山神様…。