丸腰デパート・イケメン保安課

嘘でしょ?!

焦った私は、主任の採集籠を覗き込む。

「ほら、十五本だろ?」
「………」
誇らしげな主任。
確かに十五本だけど…。

「主任!どこで見つけたの?!」

主任の籠の中に入っているのは、見るからに毒々しい色のキノコばかりだ!

赤とか青とか黄色とか!
水玉とかボーダーとか迷彩柄とか!

「明らかに松茸じゃないよ?!」
食物ですらない!辞典にも載ってないんじゃ?!

「そんな事は百も承知だ!」
承知で採集してるのか!
何しに来た!!

「ほう…笙はずいぶん取ったな」
家紋さんも主任の籠を覗きに来た。
「でも…松茸じゃないですよ?コレ」
「おもしろいからいいんじゃない?」
栗田さんが、赤い水玉のキノコを取り上げた。
貢さんもおもしろそうに見つめてるし。
「マリオに出てきたよね?こんなの」
マリオ…ゲームじゃん!

「これ食べたら大きくなれるかな?」
「ダメだよ!千太郎くん!食べちゃダメ!」
主任なら平気かもしれないけど!

「大きくはなれないよ、千太郎」
貢さんから教育らしい正論!
「ある経験無しでは、大きくなれないんだよ?…男は」
ちょっ!!ある経験って何?!

「でも、一体何のキノコなんでしょう?」