丸腰デパート・イケメン保安課

「そうでした、皆さん松茸狩りにいらしたんですしね。忘れてましたぁ!」
はははと笑い、タオルを巻き直すバロン。

おい!!忘れてんじゃねーって!


もう…何で保安課が行く所って、こういう変な人ばっかり居るのよ!
呼ばれてる?

「松茸狩りと言えば、あちらに松林がありますから」

言えば…って何よ?
この看板の、狩りの血文字の主張する所は?
軽くトラウマになりそうなくらい、ものすごい強烈なインパクトだよ?


こちらへどうぞ、と誘導するバロンの背へと続き、細い山道へ入っていく私達。
松茸が無かったら、千太郎くんに詰めてもらうからな?
バロン!





バロンが案内してくれたのは、赤松の林!
良かったぁ…思わず胸を撫で下ろす。

バロンの説明を聞き終えた私達は、早速松茸採集に。
制限時間は2時間。その間に取った松茸は、持ち帰りオッケー!
もう、すでに私は全神経を松茸探しに研ぎ澄ましてる!


「なぁなぁ、綾美」
集中し続ける私の隣に、主任が座って声をかけてきた。
何?今は主任にかまってる所じゃないんだけど!

「綾美は何本取れた?」
「…三本です」
「俺は十五本だ!」
「えっ?!」
わずか40分で!!