丸腰デパート・イケメン保安課

「そんなに筋肉付けて…筋〇番〇にでも出場するつもりですか?」


「いや、綾美を抱きしめる時に備えて…」
「無いですね、それは」

大体そんな筋肉付けて抱きしめられたら、余裕で身体ボッキリいくっての!!


「と言うのは冗談で」
冗談なのか…。

「保安課は、いつどんな要請がくるかわからないからなっ!いつ何時、どんな状況にも対応できる様、身体を鍛えておくんだ!」
「例えば、どんな状況で?」
「そうだなぁ…」

主任は、鉄アレイを持ち上げながら考えている。


「デパート屋上から自殺志願者が飛び降りた時、地上でキャッチできるだろう!」
「できないからっ!!」

そんな阿保なっ!!


「デパートは10階建てだからっ!物理的に考えてキャッチは不可能ですっ!」
「そうか?俺は可能だと思うが」

本気で考えてんのかよっ!

「綾美はやる前から諦めてしまうのかっ!」
「人間にできる範疇を越えている事を不可能と言うんですっ!諦めとはちがいますっ!」


「…この屁理屈姫がっ」
「どっちがっ!!」

どちらかと言えば、明らかにあんただよ!


「案外、主任ならやるかもよ?桜田ちゃん」
栗田さんが言った。


まっさかぁっ!