10月です。秋です。


保安課勤務も7ヶ月目に入り、落ち着いてきたこの頃…。
と言いたいけど!

保安課は相変わらず騒がしく、落ち着きの言葉は存在しない!



「秋!秋と言えば何だぁ?!」

また朝から主任が騒いでいる。
春夏も騒いでたくせに、秋だから今更何だって言うんだよ。

「あ〜…もうそんな季節っすかぁ」
私の向かいのデスクでは、栗田さんが雑誌を見ながらしみじみ言ってるし。
つーか、そんなってどんな季節?

「去年は丸刈りだったからな!今年は何にする!」
丸刈り?!去年は丸刈りって?!
「っ家紋さん?!」
思わず、隣のデスクで読書する…違う!編み物だ!今日の家紋さんは毛糸で編み物をしている!!

「どうしました?桜田さん」
「いえ…瞬間的に、何を聞きたかったか忘れてしまいました」
あまりの予想外インパクトに…。

「僕もです。何段目を編んでたのか忘れてしまいましたよ」
困った様に家紋さんは、右手に持った編み棒の先で頭を掻いてる。

「…何を編んでいるんですか?」
「敏腕課長のセーターを」
敏腕課長の?
ああ、猫は寒がりだしね。
それで青いセーター…。

…編み物姿、意外と似合うのね?家紋さん。