「あ、これ?」
「はい…その…明らかに毒々しい色の…」

それは、国防色の様なアマゾン奥地の底無し沼の様な…とにかく怪しい!怪しすぎる!

「このかき氷は…抹茶?」
貢さん?!なぜ首を傾げて困った顔?!
「何で疑問なんですか?!」
「だって僕も多分としか言えないし」

多分って…ものすごい確率のハズレ範囲じゃない?!

「多分って液体をかけちゃうんですか?!かき氷に!」
「普通に食べれるよ。多分」
「多分?また多分?」


「まぁまぁ、食べてからのお楽しみだから」
貢さんは笑い、かき氷をテーブルに置く。

つーか、そのお楽しみで命落としたらどうすんの。
明らかに毒物っぽいもん!

「主任に最初に食べてもらえば?」
そう言ったのは、テレビの前でプレステを起動させている栗田さん。
いくら主任でも…死ぬ事はないけど下痢くらいは。

「そっか!」
納得しちゃったよ!貢さん?!


「残念だが」
家紋さんが、デスクから読みかけの本を出しながら言った。

「笙は本日、風邪にて欠勤」

「…え?」

風邪?主任が?
しかも欠勤?

「嘘っ?!」

だって、主任が風邪なんて…。

「風邪はないです!それは人間のかかる病気ですから!」