「おっはよ~! 好きだっ!」

「うわっ! んんっ!」

部室のドアを開けてすぐに襲われ、そのままキスされる。

けれどすぐに右手に拳を作り、相手のみぞおちに食らわす。

「ぐほっ!」

「~朝から何をするっ!」

「あっ挨拶じゃん」

「日本人らしい挨拶をしろっ!」

怒鳴ったのはオレ、演劇部の脚本専門の担当長。

オレが殴ったのは、演劇部の役者専門の主演男優だ。

演劇部で有名なウチの学校は、一言で演劇部と言ってもいろいろな専門がある。

オレのような脚本、コイツのような役者、そして衣装や小物、舞台の大道具・小道具に至るまで細分化され、各々担当長の元で学ぶ。