「とにかく、自宅に向かいましょう。SPの方々は、お嬢様の両サイドに2人。あとのお2人は後ろの席へお願いします」 テキパキと神沢が指示するとその他のSPが動き出した。 神沢は運転席。 運転席の後ろの座席の中心にあたしで、右に優太さんと左に彼方さん。 その後ろに、瑞戸さんと裕一さん。 「あの……母はどこに?」 待ち合わせを要求した、肝心のママがいない。 「由井さんは急用で会社に戻ったぜ」 あたしに唯一、タメ口で話すのは、チャラ男っぽい人の彼方さん。