もう随分長いこと 走って、走って、 ひたすら逃げ続けて 腕やふくらはぎ、首すじに頬 やわらかく、目に見えるところはぶさぶさに傷ついて、 そうしてひとりたどり着いた。 後ろからは、もう、誰も追いかけてはこなくて、 前には道という程のものもなくて、 私はへたりこみ、ぽろぽろと、涙をこぼすのだ。