私の父は、太宰みたいな人だった。


格好ばかり良くて、女のひとがいないと生きてけなくて、

なけなしのお金が入ると、ギャンブルに費やし、

大金が入ると、それはすぐに恋人にプレゼントする宝石や、バッグや、部屋へと変わり、


私と弟は敷地ばかり広いぼろっちい平屋立ての隅っこで、いつも仕事で遅い母親の帰宅を待ちわびた。