そんな自分の気持ちが悟られないように、アランはできるだけ平静を装ってロアに話しかける。
「セルマさんは…いないんですね」
おそらくはお茶の支度をしているのだろう。
「本当はセルマさんにも聞いてほしかったんですが…」
部屋をぐるりと見回したアランは、再び視線をロアに向けた。
「ロア様、ドレスの方なんですが、宴の日の早朝にはお持ちできると思います」
普通なら、王族のドレスの仕立てともなると、一年以上の期間をかけてじっくりの最高の出来に仕上げる。
それをたった半年で行うともなれば、いくら完成が当日でも十分だ。
アランはそう考えていた。
しかし……
「当日…」
アランのその言葉を聞いたとき、ロアの顔色が変わった。


