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いつものようにロアの元を訪れるために城へやって来たアランの前に、王の使いと名乗る男が現れた。



彼はアランを謁見の間へと案内すると、お辞儀をしてその場を後にした。



いったい何なんだとアランが思っていると、玉座の後ろの扉からアルヴィンとフェリシアが現れた。



「国王陛下ッ…」



ふたりの姿を見たアランは慌てて頭を下げてその場に跪いた。



「いや、楽にしてくれて構わない。突然呼び出して申し訳なかった。
顔を、上げてくれ…」



アルヴィンの言葉に、アランはゆっくりと頭を上げた。



「国王様…」



アランの目に飛び込んできたのは、玉座ではなく、自分と同じように片膝をついてこちらを見つめるアルヴィンの姿だった。



「国王様、そのような…」

「アラン」



アルヴィンの低く落ち着いた声が、謁見の間に響き渡る…