温かい…アランの優しさに思わず甘えたくなる。



彼を…信じたくなる…



けれど自分はもうすぐ死ぬ運命なんだ…



ロアは零れそうになる涙を堪えるために目を閉じる。



これまでずっと心を閉ざして生きてきたのに、今更簡単に心を開くなどという事はできなかった。



ロアの心は深く…深く凍り付いていた。



「ロア様」



アランは優しくロアの名前を呼ぶと、ゆっくりと立ち上がりテーブルの上に原画を置いた。



「ここに…置いていきますね」



少し寂しげにアランが微笑むのをセルマは見ていた。



「では、今日はこれで」



そう言い残すと、アランは静かに部屋を出て行った。