抱えてきた荷物を再び持ち、アランは扉へと向かう。
アラーナが見送ろうと後ろを追いかけた時、ふいにアランが振り向いた。
「あの…ちょっと見ていただきたい物があるのですが…」
そう言いながら、アランは鞄の中から一枚の紙切れを取り出した。
その紙に描かれたものを見て、アラーナは驚き、しかし優しく微笑みながらアランの美しい銀色の瞳を見つめた。
「これは、今から渡すのですか?」
「はい…そのつもりで書いてみました。まだ決まった訳じゃないんですけどね」
そう言いながら少し寂しそうに微笑むアランに、アラーナは少しだけ胸がチクリと痛んだ。
「大丈夫です。アランさんの優しい気持ち、私はきっと伝わると思います」
「…ありがとうございます」
去っていくアランの後ろ姿を見つめながら、アラーナが小さく呟いた。
「姉様が…うらやましい…」
アラーナの声は、広い廊下に吸い込まれるように消えていったのだった。


