アランが帰り静まり返った部屋の中、セルマが片付けをするカチャカチャという音だけが響く。
「姫様、ドレス…作っていただけませんか?」
片付けの手を止めることなくセルマがロアに問いかける。
「アランさんは何も言いませんけど、きっと姫様のドレスを作りたいと思っていると思います…」
「………」
「姫様…」
ゆっくりとロアに体を向けると、じっとその横顔を見つめる。
「だって…」
「え…?」
「私は20歳の誕生日に死ぬのよ?」
そう言ってロアは真っ直ぐにセルマを見つめた。
ロアの美しい金の瞳。
その瞳があまりにも悲しげに輝いているようで、セルマはそれ以上何も言う事ができなかった。


