アランが来てから、確実に姫様は変わられた…
生きることに無関心になっていたロア。
しかしアランと出会ってからのロアは『生きている』気がする。
目には光が宿り、セルマやアランの問いかけにわずかながら答えるようになった。
アランさん…やっぱりあなたで間違いはなかった…
ふたりに気付かれないように涙を拭くと、笑顔でふたりに声をかけた。
「姫様、アランさん。さぁこちらでお茶を召し上がってください。花束はお部屋に飾りましょう」
テーブルにお茶を用意するとセルマはロアからバラの花束を受け取った。
そして窓の近くの花瓶に挿してあった花の代わりにバラの花束を飾ったのだ。
(綺麗…)
美しく咲き乱れるバラの花…
「アランさん…ありがとう…」
バラだけが、セルマの囁きと目に浮かぶ涙を見つめていた…


