この人を見ていると、どうしてこんなに胸が熱くなるの…
そんなロアにアランは優しく微笑むと、ロアの目の前にバラの花束を差し出した。
「美しいロア様に」
目の前に差し出されたバラの花束と、アランの言葉にロアの顔は真っ赤に染まった。
「姫様」
顔を真っ赤にして固まっているロアにセルマが優しく呼びかけると、ロアははっとしたように慌てて花束に手をかけた。
「あ…あり、がとう…」
耳をすまさなければ聞こえないような小さな声で、しかし確かにロアはそう言った。
「どういたしまして」
そう言って再びロアに笑顔を向けるアラン。
そんなふたりを見ながら、セルマは目に熱いものがこみ上げそうになるのを必死で堪えていた。
(姫様……)


