セルマに軽くお辞儀をすると、アランは部屋へ一歩足を踏み入れた。
「失礼します…」
お辞儀をしたアランは、下げた頭を上げながらロアがいるであろう窓辺に目を向ける。
「ロア様」
太陽の光に照らされた美しい金の髪。
アランの呼びかけに、その美しい髪がふわりと揺れた。
アランの姿を見たロアは、何か言いたげに唇を動かしたがそこから言葉が発せられる事はなかった。
「ロア様」
もう一度名前を呼ぶと、アランはゆっくりとロアに近付いた。
そしてロアの目の前まで行くと、視線を合わせるように膝をついた。
――ドキン…
ロアは自分を見つめるアランの美しい銀の瞳から目が離せなかった。


