ロアは変わらず窓から外を見ている。



やっぱり答えて頂けないわよね…



そんなロアを見て少しため息をつくとお茶の道具を持って部屋を出ようとした。



「……かしら」

「え?」



突然のロアの声に驚いてセルマが振り向くと、ロアは変わらず外を見ていた。



しかし…



「なぜあの人は……ここへ来るのかしら…」



明らかに今までとは違うロアに初めセルマは驚いて立ち尽くしていたが、はっとしてロアに近づくと笑顔でこう答えた。



「姫様の事がお好きなんですよ」



セルマの言葉に、ロアは驚いたような表情を向けた。



そんなロアにセルマはにっこりと微笑むとお辞儀をして部屋を後にした。